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2006年01月24日

激論 文化か効率か

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(朝日新聞、05.12.8)
 国立の美術館や博物館にも「小泉改革」の波が迫っている。「官から民へ」の流れのなか、仕事の民間開放や組織の統合で「経営力」の向上を求められている。来年の通常国会で民間開放に向けた法整備が進む可能性があり、一部組織の統合は今月中にも決まる見通し。文化庁や文化人は「我が国の文化芸術の衰退につながる」と猛反発している。
 ◇   ◇
 時間が経つにつれ、ののしりあいにあった。
 今月2日、東京・永田町で政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)主催の討論会。独立行政法人である国立美術館と国立博物館の業務を民間に開放するかどうかを巡り、文化庁幹部と委員がぶつかった。
 文化庁幹部「やすらぎとか、癒しとか、感動を与えるのが博物館の役割。本来文化はお金がかかるものだ
 規制改革会議委員「安らぎが独立行政法人だったら出せるのか。大事なのは独法の職員の保護ではなく、文化を守り継承させることだ
 「市場化テスト法案」を、政府は来年の通常国会に提出する予定だ。同会議が年末に出す答申までに対象が固まるが、会議側は国立美術館と国立博物館の展示企画などの業務を対象にしようとしている。
 この日の討論は、最後は「(会議委員には)基本的な現場感覚がない」(文化庁)、「あなたこそ基本的な知識や常識を欠いている」(規制改革会議)などと双方が吐き捨て時間切れとなった。
 6日の経済財政諮問会議でも民間議員が国立美術館・博物館の施設管理・展示運営業務を市場化テストの対象とするよう求める文書を提出した。
 文化人も黙ってはいない。先月には、日本画家の平山郁夫、美術評論家の高階秀爾、建築家の安藤忠雄、作家の井上ひさし各氏ら38人が「効率性追求による文化芸術の衰退を危惧する」とする文書を文部科学省などに提出し、研究活動の充実などを訴えた。
 美術館・博物館の現場からも悲鳴が上がる。
 国立国際美術館(大阪市)は、この1年で約70万人を集めながら常勤職員はわずか16人。官庁は「当館の規模なら海外では60人規模のスタッフが必要。私たちも外部化できることはほとんどしてきた」。
 東京国立近代美術館の企画課長も「芸術などの分野で事業内容の議論が入り込む余地のないまま、一律に進められようとしていることに恐れを感じる」という。
 「入札は5年間とか時限付きになるのだろうけど、『人』の継続性はどうなるのか。将来、海外を含む美術館同士の収蔵品の貸し借りができなくなることだってあり得る」と不安を募らせる。
 ◇    ◇
 よく比較される他国の有名館とは、運営の実態や基盤が全く違う。例えばニューヨークのメトロポリタン美術館は、収入の3割以上が個人や企業からの寄付金だ。入場無料の大英博物館も「公営宝くじ」などからの収入と企業や個人の寄付に頼ってきた。「寄付」が盛んな文化や制度が基盤となっている。

●世界の美術館・博物館の現状は●(文化庁調べ)
国立美術館
(4館の合計)
国立博物館
(3館の合計)
メトロポリタン美術館
(ニューヨーク)
大英博物館
(ロンドン)
ルーブル美術館
(パリ)
年間運営費52億円60億円272億円124億円164億円
職員数132人241人1800人1050人1300人
年間入場者(万人)261217490470570
展示面積(平方メートル)1663128861526005660030000


●コメント●
 民間に文化は任せられないとは言い切れませんが、まがりなりにも「国立」なのだから、効率とか市場とか経済の論理で測ることなく、文化振興をしてもらいたいものです。小泉さんも日本文化をもっと推進したいといっているようですし・・・。それとも、小泉さんは民間活力をもって文化振興を図ろうとしているのかしら。
 この記事を見ている限り、文化庁の人たちもがんばっているようですね。

【関連記事】
 →やみくもな効率化は危険
 →「市場化テスト」博物館などに導入 平山郁夫氏ら反対声明
posted by むっちー at 19:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | オススメ記事| edit
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