(下野新聞、08.1.6)
※以下、大平町長の鈴木俊美氏の「日曜論壇」記事から。
本町では、昨年4月から県内で初めて、町立図書館に指定管理者制度を導入した。この制度は、自治体が設置した「公の施設」の管理、運営のすべてを「指定管理者」と言われる民間の企業やNPO等の団体に委ねることができるものである。
全面委託であるから指定管理者はあらかじめ自冶体との間で締結した協定の範囲内で「利用料金の設定や運営規則を独自に設定することができる。
本町が図書館に指定管理者を導入した際、どちらかというと批判的な意見が多かった。その最大の理由は、図書館のような最も公共性の高い施設の運営を、営利を目的とする民間企業に任せていいのかというものである。
しかし、実際に運営が始まってからやがて一年が経過しようとしているが、今までのところ、指定管理者に移行する前と比較すると「図書貸出冊数で約25%、来館者数で約12%それぞれ増加している。利用者の声も上々である。
本町では、図書館以外にも健康福祉センターや地域交流センター等の運営を指定管理者に委託しているが、いずれも順調な運営がなされている。
ここで「公共」とは何かということを考えてみたい。公共とは、特定の人や団体、企業等のみの利益獲得ではなく、不特定多数の人々の利益獲得を目標にする領域のことである。そして、公共の中には「官」(市町村や県、国)でなければできないことと、「民」(民間)でもできることがあるのであるが、従来は公共の仕事と言えばすべて官が行うものであると思われがちであった。しかし、警察や消防、福祉政策などは確かに官の仕事であろうが、公演、体育館等の管理運営は民間でも十分に行うことができる。
最近、NPM理論とか補完性の原理ということが地方自治行政の分野で言われることが多い。NPMとはニュー・パブリック・マネージメントの頭文字であり、「新公共経営」とでも訳すことができる。
NPM理論のポイントはいくつかあるが、ここでは@行政サ−ビスは、可能な限りその受け手である住民に最も近い基礎日自治体(市町村)が担うべきであること、A公共分野に市場原理と競争原理を導入し、活用すること、B組織や予算、情報について常に住民サイドから考えること−−の3点を挙げたい。
このうち@は補完性の原理とも呼ばれるが、行政は市町村を基礎とし、そこで担当できない業務を県が、さらに対外政策など残りを国が処理すべきだという考え方である。Aの考え方からは、民営化やPFI、そして先ほどの指定管理者制度などが導き出される。Bは、縦割り組織や単年度の予算編成、そして情報の非開示等は、住民サイドから見れば非効率で正すべきものとなる。
以上のことから言えることは、「公共」の仕事は「官」の独占領域ではなく、「民」でも十分に行える領域が多いということであり、この「官」と「民」との協働によって、住民サービスと行政の経営効率が高まることは確実であるということである。
記事検索
2008年02月15日
【栃木県大平町】「民」が担える公共の仕事
HOME ⇒ 新聞記事(08年1月) ⇒ この記事
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/84147714
http://blog.seesaa.jp/tb/84147714
